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「広島なぎさ高校 修学旅行」 活動日誌

遊漁船体験を選んだ、広島なぎさ高校の生徒たち
遊漁船体験を選んだ、広島なぎさ高校の生徒たち

修学旅行のテーマは「いのちの物語」


こんにちは。

突然ですが、みなさんは、高校時代の修学旅行でどんな体験をしたか覚えていますか?

 

東京生まれの私の修学旅行はというと…。

「九州縦断・修学旅行」でした。1学年で500人以上在籍していた高校だったこともあり、修学旅行は2班に分けられました。A班は、長崎から九州縦断をスタートし、B班は、鹿児島・知覧からのスタートとなりました。B班だった私のクラスは、鹿児島・知覧から修学旅行がはじまり、宮崎の青島神社、熊本は阿蘇山、長崎は平和公園など…私の記憶の限りですが、こんなルートをたどりました。なぜこのルートだったか?修学旅行のテーマは何だったのか?残念ながら覚えていません。

 

今回、対話を通して人・組織・社会・地球の進化に伴走するダイアログファーム・株式会社musuhiさんからお声掛けを頂き、広島なぎさ高校の修学旅行を共創する機会を頂きました。

 

修学旅行のテーマは、「いのちの物語」。

そして、修学旅行のゴールイメージが、修学旅行生の誰もが「繋がりのなかに私が生かされている」と意識できる。というものでした。

 

このテーマを伝えられる修学旅行を鹿児島・屋久島で実現したいということで、真っ先に浮かんだのが、うお泊屋久島の活動でした。うお泊屋久島が大切にしている「泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリー」は、食の循環のストーリーであり、いのちの循環の話であると思ったからです。 

 


屋久島にも毎年、多くの中学校や高校が修学旅行で来ています。そのほとんどは、観光スポットとして有名な縄文杉トレッキングをしたり、もののけ姫で有名な白谷雲水峡トレッキングをしています。トレッキングだけでは…という学校は、リバーカヤックをしている学校もあります。

 

そもそも修学旅行とは何なのか?辞書を紐解いてみることにしました。

 

教職員の引率のもとに、児童、生徒が日常経験しない土地の自然や文化を見学し学習するために行う旅行。

(出典:精選版 日本国語大辞典)

 

 

また、昨今では、事前指導や下見にも念を入れて、その教育効果を高めようとしている学校も多いようです。また、中学生以上になると、修学旅行先に農・山・漁村を組み入れて、そこで勤労・生産的な体験学習を行うことも増えてきている現状もあります。そして、時代背景としては、SDGsやサステイナブルがあらゆる場面において前提となっているということも意識しなければなりません。

 

そういった背景の中で、鹿児島と屋久島でどんな修学旅行を共創できるのか?

生徒たちにとって、どんな学びの体験を提供できるのか?

 

株式会社musuhiの方々とともにミーティングを重ねていき、うお泊屋久島が関わることの意義を見出していったのです。

 

ミーティングを重ねる中で、私と屋久島の仲間とで共創したいミッションが浮かんできました。

それは、この3つです。

 

1)今までにない屋久島の修学旅行をつくる。またそのプロトタイプになり得る旅をつくる。

2)海に十日、里に十日、山に十日。屋久島の生活文化を感じられる修学旅行をつくる。

3)知る、分かるを越えて、五感で感じる修学旅行をつくる。人と人の出会い方も含めて。 

 


広島なぎさ高校では、修学旅行をいくつかの地域とプランから選択できる選択制の修学旅行を実施していました。そして、鹿児島・屋久島のプランを選んできた生徒は、今回14名。いわゆる修学旅行の一般的なイメージとは大きくかけ離れた少人数での受け入れとなりました。しかしながら、この規模感が、ミッション達成にはプラスへと転じていったのです。

 

3泊4日の行程のうち、初日の鹿児島・知覧を除き、屋久島での3日間の行程に関わりました。

 

屋久島到着の初日は、屋久島環境文化村センターでのレクチャーの後、ヤクスギランドにて屋久杉の森を森林浴を交えながら、ガイディング。屋久杉という1,000年を超えるいのちを感じるところから屋久島の旅がはじまりました。五感を使って外の世界を感じることで、2日目から体験や屋久島人との出会いからより多くのことを受け取れるよう身体をチューニングしてもらいました。

 

2日目は、午前中は、遊漁船での釣り体験のチームと安房川でのリバーカヤックチームと2班に分かれました。

釣り体験では、自分が釣った魚を食べるのか?まだ小さいからリリースするのか?の判断をしたり、神経〆と呼ばれる、魚を〆る作業を自ら体験することで、いのちの物語を体感していました。カヤックチームはスタートして早々の出来事でした、偶然にも安房川をウミガメが泳いでいるのを目撃しました。思わぬいのちとの遭遇でした。ここは、海なのか?川なのか?川で泳ぐことで、水のしょっぱさに気付いたり、川の中で温度の異なる水が流れていることに気付いたり、自分の身体で体験するからこそ感じられることを一人一人が持ち帰っていました。 

 


お昼は、くんせい屋けい水産と遊漁船さかなのもりによる、トビウオのさばき体験をみんなでやってもらいました。さばいたトビウオは塩ゆでにして試食してもらいました。釣って、さばいて、調理するという「泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリー」を体感してもらい、いのちを頂くことへ想いを馳せてもらいました。

  


午後は、久保養蜂園 屋久島ファームの久保夫妻に、屋久島の里フィールドで養蜂の現場のお話や蜜蜂と蜜源となる樹木や草花との繋がりからいのちの物語を感じてもらったり、最終日は、木繋プロジェクト/Plant-based Cafeのne-丸山さんに林業での取り組みやPlant-basedな食事への想いを聞き、最後のこの修学旅行のシェアリングの時間となりました。

 

共創を試みたミッションの話に戻りますが、2)と3)は屋久島の仲間の協力や助けもあってかなり実現できたのではと捉えています。これからもうお泊屋久島の強みを出しつつ、島内の団体や事業者と連携して活動していけたらと考えています。

 

1)に関しては、様々な課題はありますが、生徒たちの学びを最大限にする修学旅行ができたのでは?と思っています。このミッションに関しては、中長期的な取り組みとなるので、まだはじまったばかり。これからも継続的に取り組んでいきたいと考えています。


編集後記


うお泊屋久島として、今回の修学旅行に関われたのは、多くの方々のご尽力と支えがあったからこそだと思っています。まずこのお話を頂いた株式会社musuhiのチームの皆さんにあらためて感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

 

事前授業を提供してくれたPCVの住岡さん、生徒たちが広島を出発するまでを最大限サポートしてくださったJTB広島の横田さん、そして、屋久島で生徒とともに遊び、感じ尽くした広島なぎさ高校の星野先生へも多大なる感謝を表したいと思います。

 

そして、共にこのプログラムの実現に向けて協力してくれた、久保養蜂園 屋久島ファームの久保夫妻、そして、修学旅行の見事なクロージングをしてくれた 【ne-】 Plant-based Cafe &Actの丸山さん(最初のパスは丸ちゃんからだったと聞いています)にも感謝の気持ちを表すとともに、共にまた共創の機会を作ることをここに約束したいと思います。ありがとうございました。

うお泊屋久島 編集長  ささっちょ
うお泊屋久島 編集長 ささっちょ


うお泊屋久島ってどんな団体?


うお泊(うおはく)とは?

うお=魚 + 泊=宿泊などの体験プログラム、また港を意味する

上記を組み合わせた造語です。

 

どんな仲間たちがいるの?

屋久島で魚を扱う事業者や、

海や川などの水辺で活動する事業者が主なメンバーです。

また鹿児島本土の事業者もいます。

漁師の暮らし体験宿ふくの木 

遊漁船さかなのもり/えびす丸 

(以下あいうえお順)

くんせい屋けい水産 

島結レーベル 

屋久島アウトドアガイド島結

屋久島シェアホステルみなと 

レストランパノラマ

NPO法人くすの木自然館 

 

わたしたちの活動が目指していることについて

この法人は、地域住民や来島者など幅広い層の人々に対し、泳いでいる魚が食卓にあがるまでのストーリーをおいしく・楽しく・分かりやすく伝えることで、魚を育て人々の暮らしを豊かにする自然環境を大切にする心を育み、生産者と消費者、海や魚と地域住民・旅人などを繋ぎ、双方が喜びを分かち合えるような社会をつくることを目指して活動をしています。

 

うお泊屋久島との協働・共催企画のご相談はお気軽にご連絡ください。